NBI内視鏡
がんの早期発見を目指して
最新型内視鏡を導入
私は医師になって以来、がんセンター、大学病院などでがんの患者さんの診療に多く携わってきました。そして開業してからも、がんの診断に力を入れてきました。そしてとにかく早期発見が重要であると常に感じています。
のどの領域のがんは、早期発見すれば手術することなく、放射線などのみで治療できることもあります。その診断精度を上げるべく、耳鼻咽喉科クリニックではまだ導入の少ない、NBI内視鏡を導入することを決めました。
がんは、自分の成長のため、周囲に異常な血管を広げることが知られています。この内視鏡はこの異常な血管を見やすくする新しい技術です。耳鼻咽喉科領域では、喉頭がん、咽頭がん、舌がんなどが対象です。
内視鏡から粘膜に対し、2種類の特定の帯域(青色390~445nm、緑色530~550nm)に狭められた光を照射します。これらの光が血管中のヘモグロビンに吸収され、血管と組織のコントラストを強調します。
モニター上では、粘膜浅層の血管は茶色に、粘膜下組織内の血管は緑色に映し出されます。のどのがんは粘膜の浅い層にできることが多く、この技術によってがんの作りだす異常な血管の増殖を確認することができます。
左側が通常の内視鏡、右側がNBI内視鏡です。ごらんの通り、見え方が違うことがお分かりかと思います。この技術は新しい光学的な画像テクノロジーですので、患者さんに対する体の負担は従来の耳鼻科内視鏡と全く変わりません。操作としては、従来の耳鼻科の内視鏡検査中に手元のボタンで当てる光を変更するだけです。
繰り返しになりますが、のどのがんは早期発見が非常に重要です。のどの違和感、痛み、飲み込みにくさ、声がれなどの症状があればお早めにご相談いただければと思います。今後もがんの早期発見、適切な診断に力を入れていきたいと思います。