NBI内視鏡
がんの早期発見を目指して
最新型内視鏡を導入
副鼻腔とは、鼻の周囲、頬の奥や眼の奥にある骨で囲まれた空洞で、鼻の穴とつながっています。そして慢性副鼻腔炎(ちくのう症)は、その副鼻腔が炎症を起こし、慢性化してしまったものです。カゼや虫歯、顔面の怪我などを原因として発症する急性副鼻腔炎が治り切らないで起こります。炎症が続くことにより、鼻の粘膜が腫れて、副鼻腔の空洞にウミやはがれた粘膜がたまります。
副鼻腔内に膿がたまることによる頭痛、顔面痛・顔面の晴れ、黄色や緑の鼻汁、鼻づまり、においが分からないなどの症状がみられます。炎症が強い場合は、視力障害や髄膜炎を引き起こすケースがあります。鼻水がのどにまわり、のどの炎症や気管支炎がおこることもあります。ちくのう症はくり返す中耳炎の原因ともなります。
(1)ちくのう症の治療は、数回の外来治療で治すことでは困難で、治療期間はある程度長くなります。(特に副鼻腔にカビが存在する場合はなかなか治らず、手術が必要になるケースもあります。)
(2)1~2週間に1回の通院が必要ですが、症状が強い場合は集中的に通院していただくことがあります。ある程度炎症が治まれば、2~4週間に1回の通院となります。2~3か月の治療期間が必要とあることがあります。
(3)3つの治療をおこないます。通院によるお鼻から副鼻腔をきれいにする処置と、ネブライザー(噴霧器)による薬の吸入と、薬局から出されたお薬の服用です。長期間の内服が必要となりますので、それにあわせて抗生物質も安全なものを少しずつ投与する方法をとります。
(4)治療の終了は、症状の改善をみて、鼻茸(ポリープ)が縮小・消失、または鼻の中の腫れが治まった時点です。これで完全に治った状態と判断できます。
(5)鼻の処置や内服治療でなかなか治らない場合は手術をおすすめします。ただし全身疾患などがあって体の弱い方など、おすすめできない場合もあります。
(6)副鼻腔手術は、ひと昔前は顔の皮をめくって、顔面の骨を削るという手術法でした。今は内視鏡などの器具を用いて傷口を最大限抑える手術が主流です。そのため手術中、手術後の痛みがかなり抑えられるようになり、出血なども少なくなっています。
細菌感染が疑われる場合には抗生物質を使用します。鼻水や痰が多い時には去痰剤、頭痛や頬の痛みがある時には鎮痛剤を併用します。慢性化した状態では、漢方薬を使用することもあります。
花粉症やアレルギー性鼻炎を伴っている場合には、抗アレルギー薬を併用することもあります。
市販の蓄膿症の治療薬には消炎剤、去痰剤、漢方薬が含まれているものが多く、比較的症状が軽い場合には有効ですが、市販薬を飲んでも症状が1週間以上続くような場合には正確な診断のもとに抗生物質や消炎鎮痛剤の選択を行う必要があり、耳鼻咽喉科クリニックでの診察をお勧めします。
内服薬治療でも改善されないような蓄膿症に対しては、入院を伴う手術治療が必要となることもあるため、その際には近隣の適切な施設に紹介させて頂きます。
最近は内視鏡を用いた方法が一般的で、歯ぐきや顔面に創が残ることはありません。