NBI内視鏡
がんの早期発見を目指して
最新型内視鏡を導入
甲状腺の一部に腫瘍(しこり)ができるもののうち、悪性の腫瘍を甲状腺がんと言います。男女比は1:5と女性に多く、20歳代の若い方から高齢者まで幅広く発症する病気です。
実際には甲状腺にできる腫瘍の内の8割程度は良性と言われており、また悪性のがんであっても多くの場合、進行はゆっくりで完治もしやすいのが特徴です。しかし一方で悪性度の高い可能性もありますので、早急な診断を受けることが大切です。
甲状腺がんには様々な種類があり、まず「分化がん」と「未分化がん」に分かれます。
分化がんには「乳頭がん」と「濾胞(ろほう)がん」、「髄様(ずいよう)がん」があり、この内「乳頭がん」と「濾胞がん」が甲状腺がんの90%以上を占めます。「髄様がん」と未分化がんは非常にまれであるものの悪性度が高く、生命にも関わることが多い種類です。
90%以上を占める乳頭がんと濾胞がんは進行が遅く、発症当初はしこりがあるだけで他に異常がない場合がほとんどです。また転移も少なく、仮に転移しても進行が遅いため比較的予後が良いがんであると言えます。
甲状腺がんでは、その種類によって出現する症状が異なります。乳頭がんや濾胞がんの場合、特に初期では目立った自覚症状はほとんど見られず、首元(甲状腺)のあたりにしこりがあるのを手で触れて分かる程度です。進行すると、飲み込みにくさ、声のかすれなどが現れることがあります。首元のしこりに気付いた時には早急に甲状腺を診療できる医療機関に相談するようにしましょう。
種類によって具体的な治療方法は異なってきますが、多くの場合、治療は手術が基本となります。その他にも放射線治療や薬物療法なども治療手段としてありますが、身体の状態や年齢、患者さんのご希望なども含めて決定されます。
甲状腺がんは自覚症状が少なく、発見までに時間がかかるケースが多くあります。悪性度の低い乳頭がんや濾胞がんであれば進行が遅いですが、中には進行が早く、悪性度の高いがんも存在します。甲状腺の病気はがんを含め、正しく診察できる医師は限られていますので、しこりに気付いた時には早急に甲状腺の病気を診療できる医療機関を受診するようにしましょう。