子どもの三大夏風邪（手足口病、咽頭結膜熱（プール熱）、ヘルパンギーナ）の一つで、6月～８月にかけて流行する感染症です。特に7月にピークを迎えます。
原因はエンテロウイルスとコクサッキーウイルスで、これらのウイルスは複数の種類があるため、ひと夏に何度もかかってしまうことも珍しくありません。ほとんどが4歳～5歳までの乳幼児に多く発症しますが、稀に大人が発症することもあります。

その名の通り、手のひら、足の裏、口の中に小さな水ぶくれが出てくることが特徴です。お尻やひざにできることもあります。熱は出ないことが多いですが、1～3日発熱することもあります。
水ぶくれは“かさぶた”にならずに治ることが多く1週間程度でなくなりますが、口の中に痛みがある時は食事や水分が摂りにくくなり、脱水症状を起こすことがあるため注意しましょう。
またエンテロウイルスが原因の場合、まれに脳炎を合併して重症することがあるため、注意が必要です。急な高熱やぐったりして極端に元気がなくなった場合には、早急に医療機関にかかるようにしてください。

有効な抗ウイルス薬はなく、症状を抑えるための対症療法が基本となります。特に解熱鎮痛剤を用いることで熱やのどの痛みを抑え、しっかりと水分が取れるようにします。オレンジジュースなど刺激のある飲み物は避け、のどごしの良い麦茶や牛乳などをおすすめします。食べ物も噛まずに飲み込める、刺激の少ないプリンやゼリー、豆腐、冷えたおじやなどを無理のない範囲で食べると良いでしょう。
大体5日程度で治ることが多いです。

手足口病は咳やくしゃみによる飛沫感染、おもちゃなどの表面に付着したウイルスに接触し鼻や口などの粘膜を通して感染する接触感染の2つの感染経路があります。外出からの帰宅時や食事前には、しっかりと手洗いをすることが大切です。
また回復後も便などから2～4週間にわたってウイルスが排出されますので、おむつ交換の後にもしっかりと手洗いを行うようにしてください。
熱が下がって1日以上が経過し、口の痛みが無くなれば登園・登校していただいても大丈夫です。