NBI内視鏡
がんの早期発見を目指して
最新型内視鏡を導入
非常に強い感染力を持つ麻疹ウイルスが原因による感染症で、インフルエンザの10倍の感染力を持つと言われています。2007年、2008年の大流行を覚えている方も多いと思いますが、抗体を持っていない方が感染すると90%以上が発病します。
一度感染すると生涯を通して免疫抗体がつくと言われていますが、年代によってワクチンの接種義務や自然感染の機会の有無が異なっているため、ご自身が抗体を持っているかを確認しておくことが大切です。
①1977年以前
ワクチンが任意接種であったため、1977年以前に生まれた方の多くはワクチン接種を受けていません。しかし自然に麻疹に感染する機会も多かったため、免疫をお持ちの方も多くいらっしゃいます。
②1978年~2005年
1978年以降、麻疹のワクチンは定期接種の対象となりましたが、当時は1回のみの接種であったため十分な免疫力がついていない可能性があります。2007年に麻疹が大流行した際は、この世代の方が十分な免疫を持っていない状況であったことが原因と考えられています。
2008年以降から5年間、1990年~1999年生まれの方には追加で接種を受ける機会が設けられたため、2回目を受けられた方も多いかと思います。
③2006年以降
1歳時、5~6歳時の2回接種の対象となっています。麻疹のワクチンは2回接種することにより生涯にわたっての免疫抗体を獲得できると考えられていますので、必ず2回受けるようにしましょう。
子どもの病気というイメージが強いですが、近年は免疫を持たない成人がかかることも多くあります。特に成人がはしかにかかると重症化しやすい傾向にあります。
<前駆期>
感染後、約10日~12日の潜伏期間を経て発症します。38℃前後の発熱、咳や鼻水、のどの痛みなど、風邪のような症状が2~4日続きます。口の中の粘膜に白いブツブツができることもあります。また乳幼児の場合、下痢や腹痛を伴うことがあります。
<発疹期>
一度、熱が37℃前後まで下がった後、半日後くらいに39℃以上の高熱が出るとともに全身に発疹が出現し、3~4日程度続きます。
<回復期>
重症化しなければ、発症から7日~10日ほどで熱も下がり、回復していきます。発疹はしばらく黒っぽく残りますが、しばらくすると消えていきます。
肺炎や中耳炎、脳炎などといった合併症が引き起こされることがあります。特に脳炎を合併した場合は稀に死亡することもあり、注意が必要です。また妊娠中にはしかに感染すると、流産・早産・死産が30~40%の確率で起こると言われています。
はしかに対する特効薬はなく、基本的には対症療法が中心となります。ただし肺炎や中耳炎などの合併症を起こした場合には、抗生剤を処方することがあります。
予防に関しては、ワクチンの接種が最も効果的です。前述の通り、年代によって2回のワクチン接種を受けていない方もいらっしゃいますので、ご不安な方は医療機関にご相談ください。血液検査で抗体を確認することもできます。
万が一はしかを発症したかも知れないと思われた時は、医療機関にお電話のうえ、感染を予防するために公共交通機関をなるべく避けて受診するようにしましょう。