NBI内視鏡
がんの早期発見を目指して
最新型内視鏡を導入
水ぼうそう(水痘)は、水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染した時に発症する感染症です。水痘ウイルスは麻疹と並んで非常に感染力が強いウイルスであり、感染すると2週間ほどの潜伏期間を経て発疹が出現します。成人では発疹が出現する1~2日程度前から発熱・全身の倦怠感といった前駆症状がみられますが、小児では前駆症状がなく、突然の発疹がみられる場合が多いです。
冬から春にかけて流行することが多く、10歳までの小児がかかることの多い病気です。
日本においては小児を中心に年間約100万人が感染していましたが、2014年以降に水痘ワクチンが定期接種の対象となったため、感染者は減少していくと想定されています。
感染後、2週間程度の潜伏期間を経て全身の発疹、倦怠感、発熱などの症状が発現します。<
小さな水ぶくれ状の発疹が特徴的で、この発疹にはかゆみが伴います。まず1mm~4mmほどの赤く盛り上がった発疹が出た後、水ぶくれ状へと変化します。この時、発疹の中の液体にはウイルスが多く含まれているため、発疹がつぶれるなどして漏れてきた液体が感染源となることがあるので注意してください。1週間程度すると発疹はかさぶたとなり、自然とはがれていきます。
また発疹は頭から始まり、胸やお腹・背中などの体幹部分、最後に手足に広がっていきます。発疹は数日かけて別々に現れるため、水ぶくれやかさぶたが混じって存在することもあります。
小児の場合それほど重篤になることは少ないですが、大人が発症した場合には重症化しやすく、水痘肺炎などの合併症を引き起こす場合もあります。また妊娠中に水痘ウイルスに感染すると、流産のリスクや胎児が先天性水痘症候群になる危険があるなど、非常に危険性が高い病気です。
特に妊娠を希望されている方は、妊娠をすると予防接種を受けることができないため、早目の接種を検討するようにしましょう。
発疹が出てから48時間以内に抗ウイルス薬を服用することで、症状が軽くなり、発疹も早くかさぶたになります。また発疹のかゆみを抑えるための塗り薬や、高熱が出ている場合には解熱鎮痛剤を処方することもあります。
しかし、解熱鎮痛剤の中には水ぼうそうにかかった際に服用すると重篤な副作用を引き起こしてしまうものもあります。自己判断での市販薬の使用は決してせず、必ず主治医に相談するようにしてください。
重症化しなければ、概ね一週間程度で治ることが治ることが多いです。
水ぼうそうは非常に感染力の強い病気です。もし家族の誰かが水ぼうそうになった場合、抗体を持っていない人は90%以上の確率でうつると言われています。予防としては、何よりも予防接種を受けることが重要です。まずご自身が抗体を持っているかどうかを確認し、万が一抗体を持っていなかった場合には早急に予防接種を受けるようにしましょう。
水ぼうそうにかかったら風邪と同様に安静にして、こまめな水分補給を心掛けてください。発疹の出ている皮膚は清潔に保った方が良いのでお風呂に入っていただいても構いませんが、湯船にはつからずにシャワーで済ませるようにしましょう。発疹がつぶれると感染のリスクが高まりますので、身体を洗う時、拭く時にも発疹をつぶさないように注意してください。また浴室内での空気感染の可能性もありますので、十分に換気を行うようにしましょう。
乳幼児の場合には自分で引っ掻くことで発疹をつぶしてしまう場合がありますので、爪を短く切る、手袋をするなど工夫が必要です。
全ての発疹がかさぶたになったら、登園・登校していただいて大丈夫です。
前述の通り、水ぼうそうの予防には予防接種を受けることが非常に大切です。2014年より、3歳までの小児には2回の接種が定期接種の対象となりましたので、必ず受けるようにしましょう。1回目は1歳から1歳3ヶ月未満、2回目は1回目終了後、半年から1年の間に接種していただけます。
予防接種を受けたことがない方、水ぼうそうにかかったことがなく抗体があるか不安な方は、保険診療外にはなりますが予防接種を受けることができますので、ご希望の方はご相談ください。