フェイスマスクについて

副院長の米澤です。

最近、“withコロナ”という言葉をよく耳にするようになりました。

新型コロナウイルスと共に生きていく、そういう覚悟が必要な世の中になったということだと思います。

もちろん、覚悟と言っても、日本を含めたアジア各国における新型コロナウイルス感染症の致死率が欧米に比べると圧倒的に低い事実からも、過剰に恐れる必要はありません。

コロナに“かからない”、コロナを“うつさない”ための正しい知識を得ることが重要と考えています。

さて、本日は、フェイスマスクについてのお話です。

新型コロナウイルスが世界で広まりつつあった当初、米疾病対策センター(CDC)や世界保健機関(WHO)は、「フェイスマスクに感染予防効果はない」と否定的な見解を出していました。

ところが、最近になって「発症前の人から感染するリスクを減らせられる」などの利点があるという科学的根拠が複数の論文で発表され、「社会的距離(ソーシャルディスタンス)を維持するのが難しい公共の場では布製マスクを着用することを推奨する」と、これまでの見解を修正しました。

手作りの布製マスクでも問題ないとのことです。

ただし、2歳未満の幼児、呼吸に問題がある人などには着用させないようにと勧告しています。

これまでは一部の人達に限られていましたが、今後は、公共の場におけるフェイスマスクの着用が常識となっていくのでしょうか。

以上、フェイスマスクについてでした。

 

参考:https://www.pnas.org/content/pnas/early/2020/06/10/2009637117.full.pdf

お子さんの花粉症免疫治療は、ぜひ今の時期から

コロナがやや落ち着き、梅雨の時期になってきました。

子供たちは自粛で皆風邪もひかず元気なお子さんが多かったようですが、学校が始まって集団生活になると、

また色々な風邪が流行ったり、

出歩くようになるとアレルギーを発症することもありますので、

気になる症状があればご相談くださいね。

さて、今日は お子さんの花粉症の舌下免疫治療 についてです。

花粉症の治療として、アレルギーを抑える飲み薬や点鼻薬などが一般的ですが、

眠くなったり、効果が少ない人もよくおられます。

 

この舌下免疫治療は、スギ花粉を元につくられたエキスを毎日飲むことで、

体を慣らして症状を出なくする、という治療です。

 

そして最近年齢制限がなくなり、幼稚園のお子さんでも始めることができるようになりました。

(年齢制限はありませんが、5才以上の方に適応としています)

 

【メリット】
○ 体に合えば、花粉症シーズンにアレルギーの治療をせずに済むか、

症状が楽になる可能性がある

○ 月1回定期的に薬をもらうために医院に通うのみでそれ以外の日は自宅で治療が出来る

 

【デメリット】
○ 最低3年から5年、毎日飲み薬を飲まないといけない

○ 花粉症シーズン中は開始できない。当院では6月から12月に開始

○ アレルギー反応が出る可能性がある。

重篤なものはほとんどないが、軽いアレルギー症状(鼻水、かゆみ、口内炎など)出ることがある。

非常に稀だがアナフィラキシーショックが起きる可能性がある。

○ 効果が出ないこともある。

 

毎日飲み薬を飲むのは大変ですが、時間を決めて習慣付けられれば、みなさんきちんと続けられています。

早い人は、始めた年の翌シーズンから症状が楽になったとおっしゃる方も多いです。

個人差はありますが、うまくいけば花粉症をかなり楽に過ごすことができると思います。

 

よければ当院舌下免疫サイトをご覧ください。

 

ご興味おありの方は、ご相談くださいね。

 

 

声がれ(しわがれ声)について

副院長の米澤です。

新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言が解除され、みなさんも学校や職場で以前の生活を一日でも早く取り戻そうと頑張っておられると思います。私たちも、クリニック内での受付業務、診察方法を改めて見直し、新型コロナウイルスと共に生活していく新しい生活様式を築いていかなければならないと考えています。

さて、本日は、声がれ(しわがれ声)についてのお話です。

 

 

声がれ(しわがれ声)とは、声の質の異常な変化であり、様々な原因で起こります。

多くは風邪や無理な発声方法で生じるのですが、まれに、逆流性食道炎、声帯ポリープ、嚥下障害、喉頭がん、食道がん、肺がん、脳卒中といったものが原因となることがあります。治療は原因によって様々であるため、まずは正確な診断を行うことが重要です。

私たちが日常診療で用いる内視鏡で喉頭(のど)を観察することで、正確な診断、適切な治療につながります。喫煙習慣のある方で4週間以上続く声がれ、数日以上続く深刻な声の変化のどの痛みや呼吸困難を伴う場合などは特に注意が必要ですので、その場合には耳鼻咽喉科医に相談することをお勧めします。

以上、声がれ(しわがれ声)についてでした。

何かご心配なことがあればいつでも相談してくださいね。

 

参考:https://www.enthealth.org/conditions/hoarseness/(海外サイト)

急に耳が聞こえなくなる病気:突発性難聴について

新型コロナ感染拡大についての話題ばかりで、みなさん疲れておられることも多いかと思います。

 

今回の騒動で、だれでも精神的に不安を生じるものだと思いますが、それによって引き起こされる病気も増えている印象です。

例えば、メンタルクリニックは患者さんが増えているようですし、当耳鼻科でも、ストレスが原因となるとされている「めまい」の病気、「メニエール病」の発作を起こされて来院される方も増えている印象です。

 

さて、今回、ストレスとの因果関係が言われている、「突発性難聴」についてのお話をしたいと思います。

どんな病気?

突然どちらかの耳の聞こえが悪くなる病気です。

「朝顔を洗っていたら突然聞こえなくなった」など、はっきりと発症時間がわかることが特徴で、まさに突発的におきます。

原因はよくわかっていませんが、ウイルスや、聞こえの神経に行く血流の異常、などが言われています。ストレスが原因となることがあることが知られています。

特に今の時期は、コロナがストレスになり、発症される方も来られています。

 

診断は?

聞こえの検査でわかります。

脳梗塞などでもこの症状はおきますので、そういった病気を診察で除外する必要があります。

 

治療は?

ステロイド治療が有効です。

(他にも色々治療法がいわれていますが、医学的に根拠があるといえるのは、ステロイド治療です。

他の治療は、はっきりと効果あるかどうかはわかっていません。)

しかし発症後2週間以内に治療を始めないと、治癒率が下がることがわかっています。

ここが最も大事なのですが、

耳が聞こえにくい感じがしたら、とにかく2週間以内、できれば1週間以内に耳鼻科で検査するべきだと思います。

(時々48時間以内とか、夜中に緊急ででも受診すべき、などとどいう記事をネットで見たりしますが、これに関しては根拠がありません。翌日や、週明け、病院が開いてからでも十分だと思います。)

軽い程度や、中程度の難聴の方は、治癒する可能性が高いですし、軽いものなら自然治癒もあると言われています。

しかし、かなり重度の難聴になった場合、糖尿病などの持病がある場合の治癒率は残念ながら少し低い、というデータがあります。

いずれにせよ、適切な期間で治療を始めることが大事です。

大事なので繰り返します。

突然耳が聞こえにくくなったら緊急で病院に走る必要はありませんが、2週間以内、できれば1週間以内に耳鼻科を受診しましょう!

以上、突発性難聴についてでした。

気になる症状などがあれば、お気軽にご相談くださいね。

 

参考:SAGE journals (海外サイト)

 

嚥下(飲み込み)体操について

副院長の米澤です。
新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言が発令されてから、まもなく1か月が経とうとしています。

当初は都市部を中心に急激な増加を認めた感染者数もややピークを迎えた兆しもありますが、いまだに日本各地で新型コロナウイルス感染の報告があり、以前の日常生活を取り戻せるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

休校や在宅勤務、外出自粛により、自宅で過ごす時間が長くなり、運動不足による体力低下なども気になるようになってきました。

そこで、本日は、摂食・嚥下(のみこみ)障害にともなう誤嚥性肺炎を予防する、自宅で簡単に出来る嚥下体操について、簡単に紹介させて頂きます。

 

1.深呼吸(腹式呼吸)
・鼻から息を吸って、口から吐き出す
・息を吸うときにはお腹がふくらみ、吐くときには
へこむことを手で感じる
・これらの動作をゆっくりと2,3回行う

 

 

 

 

 

 

2.発声練習(パ、タ、カ)
・パ、タ、カと発声する
・ゆっくりと5,6回繰り返す

 

 

 

 

 

 

 

嚥下体操にはこれ以外にもまだいくつかありますが、本日は簡単なものをご紹介しました。

ご興味のある方は、毎食前に行ってみてください。

新型コロナウイルス感染症が1日でも早く終息し、元通りの日常生活を取り戻せることを
切に願います。