急に耳が聞こえなくなる病気:突発性難聴について

新型コロナ感染拡大についての話題ばかりで、みなさん疲れておられることも多いかと思います。

 

今回の騒動で、だれでも精神的に不安を生じるものだと思いますが、それによって引き起こされる病気も増えている印象です。

例えば、メンタルクリニックは患者さんが増えているようですし、当耳鼻科でも、ストレスが原因となるとされている「めまい」の病気、「メニエール病」の発作を起こされて来院される方も増えている印象です。

 

さて、今回、ストレスとの因果関係が言われている、「突発性難聴」についてのお話をしたいと思います。

どんな病気?

突然どちらかの耳の聞こえが悪くなる病気です。

「朝顔を洗っていたら突然聞こえなくなった」など、はっきりと発症時間がわかることが特徴で、まさに突発的におきます。

原因はよくわかっていませんが、ウイルスや、聞こえの神経に行く血流の異常、などが言われています。ストレスが原因となることがあることが知られています。

特に今の時期は、コロナがストレスになり、発症される方も来られています。

 

診断は?

聞こえの検査でわかります。

脳梗塞などでもこの症状はおきますので、そういった病気を診察で除外する必要があります。

 

治療は?

ステロイド治療が有効です。

(他にも色々治療法がいわれていますが、医学的に根拠があるといえるのは、ステロイド治療です。

他の治療は、はっきりと効果あるかどうかはわかっていません。)

しかし発症後2週間以内に治療を始めないと、治癒率が下がることがわかっています。

ここが最も大事なのですが、

耳が聞こえにくい感じがしたら、とにかく2週間以内、できれば1週間以内に耳鼻科で検査するべきだと思います。

(時々48時間以内とか、夜中に緊急ででも受診すべき、などとどいう記事をネットで見たりしますが、これに関しては根拠がありません。翌日や、週明け、病院が開いてからでも十分だと思います。)

軽い程度や、中程度の難聴の方は、治癒する可能性が高いですし、軽いものなら自然治癒もあると言われています。

しかし、かなり重度の難聴になった場合、糖尿病などの持病がある場合の治癒率は残念ながら少し低い、というデータがあります。

いずれにせよ、適切な期間で治療を始めることが大事です。

大事なので繰り返します。

突然耳が聞こえにくくなったら緊急で病院に走る必要はありませんが、2週間以内、できれば1週間以内に耳鼻科を受診しましょう!

以上、突発性難聴についてでした。

気になる症状などがあれば、お気軽にご相談くださいね。

 

参考:SAGE journals (海外サイト)

 

嚥下(飲み込み)体操について

副院長の米澤です。
新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言が発令されてから、まもなく1か月が経とうとしています。

当初は都市部を中心に急激な増加を認めた感染者数もややピークを迎えた兆しもありますが、いまだに日本各地で新型コロナウイルス感染の報告があり、以前の日常生活を取り戻せるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

休校や在宅勤務、外出自粛により、自宅で過ごす時間が長くなり、運動不足による体力低下なども気になるようになってきました。

そこで、本日は、摂食・嚥下(のみこみ)障害にともなう誤嚥性肺炎を予防する、自宅で簡単に出来る嚥下体操について、簡単に紹介させて頂きます。

 

1.深呼吸(腹式呼吸)
・鼻から息を吸って、口から吐き出す
・息を吸うときにはお腹がふくらみ、吐くときには
へこむことを手で感じる
・これらの動作をゆっくりと2,3回行う

 

 

 

 

 

 

2.発声練習(パ、タ、カ)
・パ、タ、カと発声する
・ゆっくりと5,6回繰り返す

 

 

 

 

 

 

 

嚥下体操にはこれ以外にもまだいくつかありますが、本日は簡単なものをご紹介しました。

ご興味のある方は、毎食前に行ってみてください。

新型コロナウイルス感染症が1日でも早く終息し、元通りの日常生活を取り戻せることを
切に願います。