インフルエンザ、コロナに抗生物質は効くの?

副院長の米澤です。

 

新型コロナウイルス流行8ですが、ようやくピークを過ぎてきたようです。

政府からも、新型コロナウイルス感染症法上の分類今年の58に、

これまでの2類相当から季節性インフルエンザと同じ5に変更されると発表されました。

3年前に流行し始めた新型コロナウイルスは、いよいよwithコロナの時代に突入し、

最低限の感染対策手洗いうがい)は引き続き必要なものの、

以前のようなマスクなし日常生活を取り戻せるようになると考えています。

 

さて、本日は、以前にもお伝えしたことのある

「細菌」と「ウイルス」の違いについてです。

そもそも、世間を騒がせてきた新型コロナウイルスや今シーズンに久しぶりに流行したインフルエンザウイルス

文字通りウイルスであり、細菌ではありません。

ですから、菌をやっつける抗菌薬、すなわち抗生物質は効果がありません。

 

それでは、細菌ウイルスの違いについてもう少し詳しく説明していきましょう。

細菌ウイルスも目に見えない非常に小さな微生物ですが、

人間に感染して病原性を示す細菌は実はひと握りで、人間にとって有益な細菌は多く存在します。

乳酸菌納豆菌などを食品として積極的に摂取することからも分かりますね。

なので、健康のためにせっかく摂取した乳酸菌が不適切な抗菌薬(抗生物質)の投与でやられてしまうと本末転倒というわけです。

人間にとっての一般的な細菌感染症としては、

溶連菌感染症、尿路感染症、細菌性食中毒、淋病、結核などがあり、

その治療はターゲットとなる細菌に効く抗菌薬(抗生物質)が中心となります。

一方、ウイルスは細菌と異なり細胞では構成されていないため、

人間や動物に感染して初めて成長、増殖し、その多くは何らかの病原性をもちます。

一部の特殊な治療を除いて、基本的には人間が積極的に摂取すべきウイルスは存在しません。

 

人間にとっての一般的なウイルス感染症としては、

帯状疱疹、ウイルス性胃腸炎、水ぼうそう、はしか、おたふくかぜ、HIVなどがあり、

インフルエンザ新型コロナウイルスもそのひとつです。

治療としては、帯状疱疹インフルエンザ新型コロナウイルスなどの抗ウイルス薬が存在しますが、

あくまでウイルスの増殖を防ぐのが目的であり、基本的には対症療法が中心となります。

すなわち、解熱剤痛み止めせき止めなどを用いながら、水分摂取、安静を指示します。

急性上気道炎(いわゆる、鼻かぜ喉かぜ)の90ウイルスが原因で、

抗ウイルス薬は存在せず細菌ではないので抗菌薬(抗生物質)も無効です。

ただし、二次的な細菌感染症(副鼻腔炎、中耳炎、肺炎など)が疑われた場合には

抗菌薬(抗生物質)を投与することもあります。

もちろん、ウイルス感染症の予防として、ワクチン接種は非常に有効であることが分かっており、

新型コロナウイルスに対するワクチン接種についても、多くの方が受けられたのではないでしょうか。

このように、細菌感染症鼻かぜ喉かぜに代表されるウイルス感染症の治療は全く異なるのです。

 

以上、「細菌」と「ウイルス」の違いについてでした。

細菌感染症ウイルス感染症の診断・治療については、われわれ耳鼻科医が得意とする

領域のひとつです。何かご不明なことなどあれば、いつでも相談して下さいね。

 

今年の花粉飛散量は多い予想です。花粉症に対する「初期療法」をお勧めします!

副院長の米澤です。

今年の冬は、新型コロナに加えてインフルエンザが流行しています。

ある程度は予想されていた状況とはいえ、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。

どちらも高齢の方、重症化リスクのある方は特に注意が必要であり、

マスク着用手洗いうがいといった感染対策ワクチン接種による予防対策が重要であると考えています。

 

さて、本日は昨年の2月にもお伝えした、花粉症に対する「初期療法」についてのお話です。

まず、花粉症の治療には、

大きく分けて薬物療法アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)手術療法の3つがあります。

さらに、薬物療法には、花粉が飛び始める以前あるいは症状が軽い時期から薬の使用をはじめる「初期療法」

症状が強くなってしまってから始める「導入療法」

初期療法や導入療法で症状が抑えられた状態を保つ「維持療法」があります。

 

比較的症状の軽い方であれば、花粉が飛び始めてから薬物療法を開始しても構いませんが、

中等度以上の症状である場合、症状が出現してからでは薬物療法もなかなか効きにくいことがあります。

中等度以上の症状とは、

1日のくしゃみ回数または鼻かみ回数6~10回以上と定義されています

鼻アレルギー診療ガイドライン2020)。

そのような方に対しては、花粉が飛散する1,2週間前から薬物療法を開始することで、

①症状の発現を遅らせる

②花粉飛散ピーク時の症状を抑えることが出来ると報告されています。

「初期療法」で使用する薬物療法は、

症状の種類や程度生活スタイルに合わせてアレンジする必要があり、

われわれ耳鼻咽喉科医に直接相談して頂くことをお勧めします。

また、「初期療法」のタイミングについても、

その地域における花粉の飛散時期に合わせて判断する必要があります。

スギ花粉であれば、われわれの住んでいる近畿では例年、2月中旬に飛散し始めることが多く、

1月下旬頃からスギ花粉症に対する「初期療法」は開始することをお勧めしています。

 

今年スギ花粉の飛散予想ですが、

四国中国近畿では例年と比べてやや多く、

昨年と比べると非常に多い見込みのようです。

全国的に見ても、例年比昨年比いずれも多いと予想されており、

春の花粉症に毎年悩まされている方には、「初期療法」を行うことをお勧めします。

以上、花粉症に対する「初期療法」についてでした。

花粉症に対する「初期療法」以外でも、

何かご不明なことなどあれば、いつでも相談して下さいね。

今年の冬は新型コロナとインフルエンザが同時流行するのか?

副院長の米澤です。

前回のブログでもお伝えしましたが、

今年の冬新型コロナウイルスインフルエンザ同時流行が起きる可能性について、

様々なニュースでも報道されるようになってきました。

厚生労働省からも、落ち着きつつあった新型コロナウイルス流行の第7波もその後下げ止まり、

10月20日までの1週間集計で約2カ月ぶりに増加に転じており、

第8波が起きる可能性は非常に高い」と発表されています。

インフルエンザはまだ国内で流行の兆候は見られていませんが、

この夏に南半球のオーストラリア流行したこと、

日本ではインフルエンザウイルスに対する抗体保有率が低下していることからも、

日本でも3シーズンぶりにインフルエンザ流行する懸念が高まっています。

当院にも最近検査すると陽性となった方がまだ少数ですがおられます。

同時流行は十分起き得る事態だと思います。

新型コロナウイルスインフルエンザウイルス大きさもよく似ていて、感染経路はいずれも飛沫感染接触感染です。

症状発熱のどの痛み頭痛全身倦怠感と共通しており、症状だけでは一般的な風邪症状との区別も難しいのが現状です。

それでは、われわれの出来る対策は何があるでしょうか?

 

それは、日ごろからの感染対策です。

コロナの流行ですっかりと定着した、手洗いうがいの励行はもちろんのことですが、

今年は特に、新型コロナウイルスワクチンおよびインフルエンザワクチンの接種についてしっかりと準備する必要があります。

なお、新型コロナワクチンインフルエンザワクチンとの同時接種については、

有効性及び安全性問題がないことが確認され、実施が可能厚生労働省から発表されています。

当院でも12歳以上を対象に新型コロナウイルスワクチン6カ月以上を対象にインフルエンザウイルスワクチンの接種を行っております。

予約方法などの詳細については以下のブログをそれぞれご参照ください。

新型コロナ

https://nishikawa-mimi.com/blog/2022/09/30/10gatsukoronawakutin/

インフルエンザ

https://nishikawa-mimi.com/blog/2022/10/07/2022influyoyaku/

以上、今年の冬は新型コロナウイルスとインフルエンザが同時流行するのか?でした。

インフルエンザワクチンご予約について

インフルエンザ予防接種のお知らせです。

昨年はインフルエンザの流行は見られませんでしたが、今年はすでに南半球での流行は観測されており、

日本でも流行が予想されています。

本年の詳細は以下の通りです。

 

 

接種費用

○ 65歳以上:無料(※)
(※東大阪市内にお住いの方のみ。免許証など、住所を確認できるものをお持ちください
○ 13歳以上~65歳未満:3,000円
○ 3歳以上~13歳未満:2,500円×2回
○ 6ヶ月以上~3歳未満:2,200円×2回

 

予約方法

インターネット、直接ご来院でのご予約を受け付けています。

当院のLINE公式アカウントから、予約ボタンを押してサイトに入ってください。

https://lin.ee/3KKrJ6L

もしくはLINEをされていない方は、こちらからご予約してください。

https://isyadoko.net/qr/0667537867/mb/

 

接種開始日
10月11日(火)より

問診票を事前に取りに来ていただき、接種日ご来院時に記入してお持ちいただくとスムーズです。

こちらからダウンロードしてご記入いただいても構いません。

ご注意!65歳以上の方は別用紙になりますので、

こちらをお使いにならないでください。院内でお渡しいたいします。

インフルエンザ問診票ダウンロードはこちら

 

ご注意(必ずお読みください!)

※お電話でのご予約は受けておりません。

※13歳未満で2回目が必要な方は、原則その枠も一緒にお取りください

(1回目予約日の後2〜4週間後の間で2回目をご予約ください)

もしネットでは1回目しかご予約が取れなかった場合も、

可能な限り2回目分はこちらで接種できるようワクチンを確保しておりますので

1回目接種時に受付にてその旨をお伝えください。

※新型コロナワクチンとは同時接種も可能です。間隔を空ける必要もありません。

※医師の指定はできません。

※入荷が終わり次第終了となります。

今年の冬はインフルエンザが流行る? 第2報

副院長の米澤です。

6月のブログでもお伝えしましたが、今年の冬インフルエンザが流行る可能性が高いと言われています。

新型コロナウイルスの流行8波が来る可能性も指摘されており、

どちらも杞憂に終わってくれることを望んでいますが、

今のうちに出来る対策はとっておく必要があるとも考えています。

そこで今回も、今年の冬のインフルエンザ流行についてお伝えします。

南半球オーストラリア北半球日本と季節が真逆であるため、

半年前オーストラリアでの感染症の流行状況がその年の日本の冬を予想する上で参考になる、

今年オーストラリアインフルエンザ流行したため、

日本でも同じように流行する可能性があるということは以前のブログでお伝えしました。

また、2021年後半から2022年前半にかけて、北半球の多くの国においてインフルエンザ小~中規模の流行がみられていました。

 

これらの事実を踏まえて、先日、日本感染症学会から以下のような提言が発表されました。

1. 2022-2023年シーズンは、インフルエンザの流行の可能性が大きい 
2. A香港型の流行が予想される 
3. 今季もインフルエンザワクチン接種を推奨 
4. ワクチン接種が特に必要な人(65歳以上の高齢者、5歳未満のお子さん、心臓や肺などに慢性の持病のある方、悪性腫瘍で治療中の方、高度の肥満の方)
5. 例年通りのインフルエンザ対策が必要 

 

コロナの流行ですっかりと定着した、手洗いうがいの励行はもちろんのことですが、

今年は特に、インフルエンザワクチンの接種についてもしっかりと準備する必要があるということですね。

 

なお、新型コロナワクチンインフルエンザワクチンとの同時接種については、

有効性及び安全性問題がないことが確認され、実施が可能厚生労働省から発表されています。

 

一方、新型コロナワクチンインフルエンザワクチン以外のワクチン同時接種については、

現時点で安全性に関する十分な知見が得られていないため、実施できません

互いに、片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。

特にお子さんの場合は、定期接種ワクチンを接種することもあるため、予め計画を立てた上での予約をお願いします。

 

今後もインフルエンザやコロナの情報はこのブログホームページ当院LINE公式アカウント https://lin.ee/3KKrJ6L、Twitter https://twitter.com/nishikawaentでお伝えしていきますのでご安心ください。