花粉症対策は今からがベストです。「初期療法」について。

副院長の米澤です。

新型コロナウイルスが猛威をふるっています。

新しいオミクロン種はこれまでにない勢いで広がっています。

休校や休園などで、社会生活に支障を来している方も多いと思います。

早いピークアウトが望まれる状況ですね。

ただ、5の主流であったデルタ種と比較すると、肺炎嗅覚・味覚障害を合併する頻度は少なく、海外や国内のデータからも重症化のリスクは低いと判断してもよさそうです。

もちろん、重症化のリスクが低くても感染者数が増えれば重症者の数も増えるため、手洗い、うがい、3密は避けるといった基本的な感染対策は重要ではありますが、過剰にならず人流や経済活動への制限具合を見極める必要があると思います。

 

さて、本日は昨年の1月にもお伝えした、花粉症に対する「初期療法」についてのお話です。

まず、花粉症の治療には、大きく分けて薬物療法アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)手術療法の3つがあります。

さらに、薬物療法には、花粉が飛び始める以前あるいは症状が軽い時期から薬の使用をはじめる「初期療法」、症状が強くなってしまってから始める「導入療法」、初期療法や導入療法で症状が抑えられた状態を保つ「維持療法」があります。

 

比較的症状の軽い方であれば、花粉が飛び始めてから薬物療法を開始しても構いませんが、中等度以上の症状である場合、症状が出現してからでは薬物療法もなかなか効きにくいことがあります。

中等度以上の症状とは、1日のくしゃみ回数または鼻かみ回数6~10回以上と定義されています(鼻アレルギー診療ガイドライン2020)。

そのような方に対しては、花粉が飛散する1,2週間前から薬物療法を開始することで、①症状の発現を遅らせる②花粉飛散ピーク時の症状を抑えることが出来ると報告されています。

 

「初期療法」で使用する薬物療法は、症状の種類や程度生活スタイルに合わせてアレンジする必要があり、われわれ耳鼻咽喉科医に直接相談して頂くことをお勧めします。

 

また、「初期療法」のタイミングについても、その地域における花粉の飛散時期に合わせて判断する必要があります。

スギ花粉であれば、われわれの住んでいる近畿では例年、2月上旬~中旬に飛散し始めることが多く、1月下旬頃からスギ花粉症に対する「初期療法」は開始することをお勧めしています。

 

今年スギ花粉の飛散予想ですが、四国中国近畿では昨年同様もしくはやや少ない見込みのようです。

一方、東海北陸関東甲信北海道では昨年より多いという見込みであり、出張などで飛散量の多い地域へ行かれる予定の方や春の花粉症に毎年悩まされている方には、「初期療法」を行うことをお勧めします。

以上、花粉症に対する「初期療法」についてでした。

花粉症に対する「初期療法」以外でも、何かご不明なことなどあれば、いつでも相談して下さいね。

 

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