副院長の米澤です。
本日は、「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー」についてのお話です。
ようやく日本においても、医療従事者を対象とする新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されました。
来月には高齢者にその対象が拡大される予定で、東大阪でも、先日当院LINE公式アカウントでお伝えした通り、高齢者への接種は4月後半以降からになりそうです。
接種スケジュールの案内を待ちわびている方も多いのではないでしょうか。
と同時に、「アナフィラキシーが37例」といった、海外よりも副反応の頻度が高いのではないかと思わせるような報道に不安を感じられている方も多いと思います。
このような報道に対して、厚労省の専門部会委員からは「『アナフィラキシーが37例』という書き方になっているが、間違い。誤情報が出てしまう状態だ」と指摘されています。
また、3月12日に開催された厚生科学審議会において、2月17日から3月11日までの「副反応疑い報告」37 件のうち、アナフィラキシーの症例定義として国際的な指標になっている「ブライトン分類」で評価した結果、3月9日までに報告があった17事例中で該当するのは7例になると報告されています。
すなわち、新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして報告された件数の半分近くは真のアナフィラキシーではない可能性があるということです。
さらに、今回のアナフィラキシー報告は医療従事者を対象としたワクチン接種後のものであり、アメリカからの医療従事者を対象とした新型コロナワクチン接種後の副反応報告を見てみると、日本よりも若干多い割合でアナフィラキシーが起こっているようです。
つまり、原因はまだ不明のようですが、医療従事者はそれ以外の方と比べて新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー出現頻度が高い可能性があると言われています。
このように、衝撃的な数字にばかりとらわれるのではなく、様々な角度から物事を評価することが大切だと考えます。
また、アナフィラキシーを起こされた方々がすべて、適切な対応を受けて回復されているということが何より注目すべきことだと思います。
まもなく高齢者を対象としたワクチン接種が開始となり、その後には一般の方々への接種と続いていくことになります。
おそらくこれからもワクチン接種後の副反応報告は様々なメディアを通じて行われることでしょう。
そこでは科学的な根拠でもって、冷静な判断を行いたいものです。
引き続きわれわれは東大阪、八尾など当地域の皆様に、当ブログ、当院LINE公式アカウント https://lin.ee/3KKrJ6Lなどで確かな医学情報を発信していければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上、「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー」についてでした。
「新型コロナワクチン」に限らず、何かご不明なことなどあれば、いつでも相談して下さいね。