副院長の米澤です。
今回は、イギリスを中心にヨーロッパやアメリカで報告されている、原因不明のこどもの急性肝炎についてお伝えします。
本題の前に、
前回のブログhttps://nishikawa-mimi.com/blog/2022/04/03/zekka2022/
でも紹介させて頂きましたが、
スギ・ダニアレルギーに対する舌下免疫療法が当院ではGW明けより開始になっています。
現在の治療では症状が改善されない方、舌下免疫療法について一度検討されてみてはいかがでしょうか?
ご興味のある方はご遠慮なくご相談くださいね。
さて本題、原因不明のこどもの急性肝炎についてです。
世界保健機関(WHO)の報告によると、
5月6日現在、12 カ国で少なくとも 169 例の原因不明のこどもの急性肝炎が報告されています。
うち、74 例でアデノウイルスが検出されていますが、
急性肝炎の原因については不明であるとされています。
イギリスからの報告では、ほとんどが5歳未満で、
下痢、吐き気、皮膚や目が黄色くなる黄だんが代表的な症状でした。
多くの場合で回復しているようですが、
一部で重症化し、肝移植にまで至ったケースがあったようです。
日本からはこれまでに7例のこどもの急性肝炎の報告があり、
アデノウイルスが検出されたのは、そのうちの1例でした。
アデノウイルスは、
流行性角結膜炎(はやり目)、咽頭結膜熱(プール熱)、感染性胃腸炎などの原因ウイルスで、
こどもがかかりやすいウイルスの1つです。
自然治癒することが多いため、治療は対症療法が中心になります。
アデノウイルスは主に接触感染で広がり、アルコールに抵抗性があるため、
流水でこまめに手を洗うことが重要です。
こどもの急性肝炎の原因は分かっていませんが、重症化例が急激に増加している傾向もなく、
現時点では過度な心配は不要と考えます。
ただし、特に5歳未満のお子さんに肝炎の症状(下痢、吐き気、黄だんなど)が見られた場合は、
お近くの病院を受診することをお勧めします。
以上、原因不明のこどもの急性肝炎についてでした。
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