副院長の米澤です。
新型コロナウイルス流行については、全国的に新規感染者数は減少傾向であり、流行の第5波はやっと収束してきているようです。
コロナワクチン接種に関しても、日本国内の全人口の55%が2回目の接種を終え、新規感染者減少につながったと考えられています。
東京オリンピック、パラリンピックも無事に閉幕し、最近は朝晩もめっきりと涼しくなり、ずいぶんと過ごしやすくなってきたのではないでしょうか。
このまま新型コロナの再流行がなければ良いのですが、世界の感染状況からはそう楽観的にはいかないようです。
これからは、感染症の流行が心配になる冬の季節がやってきます。
外来では、「昨シーズンには流行しなかったインフルエンザ対策を今年はどうすれば良いのか?」というご質問を受けることも増えてきました。
そこで、今回は「新型コロナ流行下における、インフルエンザワクチン接種について」をお伝えします。
昨シーズン(2020-2021年)は、インフルエンザの感染者数がほぼ皆無でした。
その理由としては、新型コロナに対する感染対策として手洗い・うがい・マスク着用が徹底されたこと、緊急事態宣言などで社会活動が制限されていたこと、海外からの旅行者が激減したことなどが考えられています。
それでは、今シーズン(2021-2022年)も、インフルエンザの流行はないのでしょうか?
例年、日本の冬にインフルエンザが流行した時には、
その半年前に冬を迎える南半球でインフルエンザが流行していたという傾向がありました。
今年の南半球での状況はどうかというと、現在までインフルエンザが流行した地域はないようです。
すなわち、今シーズンは日本でもインフルエンザは流行しないだろうということになります。
しかし、インフルエンザ対策も不要と言えるのでしょうか?
昨シーズン、インフルエンザと同様に、RSウイルスの感染者も劇的に減少しました。
減少の理由としては、インフルエンザと同じです。
ところが、今年はRSウイルス感染症が日本を含めた全世界で大流行しました。
RSウイルスとは、2歳までにほとんどの子供達が感染すると言われている風邪のウイルスですが、今年は2歳以上の子供達にも流行しました。
つまり、昨シーズンにRSウイルスにかからなかった子供達はその抵抗力(抗体)を作れなかったため、今シーズンにかかってしまい、大流行につながったと言われています。
すなわち、同様の現象がインフルエンザにも起こると、昨シーズンに流行していなくても、今シーズンに流行する可能性があるということです。
ただ、新型コロナが流行している中では、あくまで新型コロナの対策が優先です。
現在、国内では新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種は認められていません。
異なるワクチンの接種間隔は2週間以上とされているので、新型コロナワクチンの2回目接種を終えて2週間以上経つ方、または新型コロナワクチンの対象でない11歳以下の方が主な対象となります。
特に、インフルエンザにかかると重症化する可能性がある高齢者や乳幼児、または医療従事者や受験生やその家族の方などは特にご注意された方がいいかもしれません。
現在、当院では新型コロナワクチンのみ予約制で接種を行っております。
インフルエンザワクチンの予約、接種については、現在準備中の段階です。
(開始時期は例年と同じく10月半ばの予定です。)
なお、ワクチン接種に関する予約方法の詳細や、最新の情報については
当院LINE公式アカウント https://lin.ee/3KKrJ6L と
Twitter https://twitter.com/nishikawaent でも発信していきますので、未登録の方はご登録頂ければと思います。
以上、「新型コロナ流行下における、インフルエンザワクチン接種について」でした。
「インフルエンザワクチン」に限らず、何かご不明なことなどあれば、いつでも相談して下さいね。