副院長の米澤です。
早いもので今年も残り2カ月となりました。朝晩はグッと冷え込むようになり、風邪の症状で来院される患者さんがさらに増えてきているように感じます。いまのところ、インフルエンザ流行の兆しはありませんが、新型コロナウイルス対策としても重要な体調管理、感染予防、3密を避ける行動は非常に大切なことだと考えます。
さて、本日は、鼻水がのどに落ちる「後鼻漏」についてのお話です。
後鼻漏とは、鼻の奥から粘液がのどに落ちる病態を表す医学用語であり、独立した病名ではありません。
代表的な後鼻漏の原因としては以下のようなものがあります。
・風邪
・ちくのう(副鼻腔炎)
・アレルギー性鼻炎
・寒暖差
・特定の食品/香辛料
・妊娠
・脱水症状
・特定の薬(経口避妊薬や降圧薬など)
・解剖学的異常
・逆流性食道炎
症状としては、咳、のどの違和感または痛み、痰のひっかかり、鼻づまり、鼻水、声がれ
といったものがあります。
治療としては、ちくのう(副鼻腔炎)が疑われる場合には抗生物質や去痰剤の投与、アレルギー性鼻炎の場合には抗ヒスタミン剤やステロイド点鼻薬の投与、胃酸の逆流が考えられる場合には胃薬の投与が有効な治療となります。
また、家庭でも出来る対応としては
・粘液を薄くするために水分摂取
・塩水または生理食塩水での鼻うがい
・部屋の加湿
・アルコールやカフェインなどの脱水症状を引き起こす物質を避ける
・タバコや急激な温度変化を避ける
以上、鼻水がのどに落ちる「後鼻漏」についてでした。
「後鼻漏」に限らず、何かご不明なことなどあれば、いつでも相談して下さいね。