喉の痛みは比較的良く起こる症状です。それだけ身近な体調の異常なので、「少し喉に違和感があるけど、まあ大丈夫か」と
その違和感が何かの重大な病気のサインだったとしても、見落とすことになる可能性は否定できません。
特に見過ごすと怖いのどの病気は、やはり「咽頭がん、喉頭がん」です。特にタバコ、お酒が好きな方に多い病気です。
喉頭がんは比較的初期で見つかり治療によって完治する可能性が高いですが、咽頭がんは初期は症状に乏しいことが多く、
発見された時にはかなり進行していることもあります。のどの違和感を自覚したら、
早めにかかりつけのドクターに診てもらうようにしましょう。
日常を過ごしているとのどの違和感を覚えることがしばしばあります。
のどの違和感を持つ原因としてどのようなものがあるでしょうか。
主な原因
扁桃腺は医学用語で、喉奥の両側に広がっているリンパ組織のことで、手でも触ることのできる器官です。
扁桃腺は、まだその機能はよくわかっていませんが、免疫を司るとされています。
身体の中へ入ってこようとする病原体(細菌、ウイルス)から身体を守る免疫の役割を果たします。
口から入ってくる病原体は扁桃腺で捉えられます。その際、体の抵抗力が低下している状態だと、扁桃腺のくぼみに病原体が感染の巣として残り、その場所で活動し炎症を起こすことで扁桃炎を起こします。
扁桃炎の症状には、「急性扁桃炎」「慢性扁桃炎」の2種類があります。
扁桃炎は1日、2日ほど安静にしていれば症状が治まっていくのがほとんどなのですが、より早く扁桃炎を治すことは重要です。
扁桃炎を発症して慢性化させてしまうと、「病巣扁桃腺炎」という他の臓器に炎症を引き起こすリスクも隠れているためです。
治療には、抗生物質を服用することで進めていきます。
発熱、痛み、のどの腫れに関しては、消炎鎮痛剤を用います。
また、蒸気吸入器や加湿器を用いて喉を保湿することも重要です。
乾燥状態では、粘膜の繊毛運動が妨げられ、免疫の機能が落ちることが分かっています。
一般的に喉と呼ばれる部位は、医学的に言うと咽頭(いんとう)と喉頭(こうとう)のことを指します。
さらに咽頭は鼻内部奥から喉にかけての上咽頭、口を開けたら見えるほぼ範囲である中咽頭、中咽頭から食道にかかる下咽頭に分けられます。
咽頭、喉頭それぞれの部位により、ガンの初期症状やガンの進行にも違いがあります。
それぞれガンの種類と特徴は、以下になります。
それぞれガンの種類と特徴
何らかの原因で、声帯の振動部に出来るふくらみのことです。
これが原因で、出る声が悪くなります。基本的に振動部の片側のみの症状ですが、
症状が出ている期間が長かったり、程度が強くなったりすると、反対側にも変化が表れます。
声を出しすぎたり、炎症が起こることによって、声帯の粘膜の充血が起こります。
このような状態で、たとえばさらに大声を出すなどして刺激を与え続けると、粘膜内に血腫ができて、
腫れ上がります。この状態のまま、引き続き声の出し続けるなどすると、ポリープになるのです。
声を聞けばポリープの有無は推測できますが、内視鏡検査が最も有効です。
治療法としては、声の衛生を保つのが最良です。その手段としては、保存療法と手術療法があります。
前者は、可能な限り発声を慎むのに加えて、吸入器や炎症を抑える薬を服用します。
それで直らない場合は、外科手術を施します。全身麻酔とラリンゴマイクロサージェリー(顕微鏡下の手術)で、
ポリープを切除します。
ポリープの対処として、最も重要なことは、声帯に負担をかけさせないこと、つまりできるだけ発声をしないことです。
大声を出すことや長時間つづけて発声することは避けましょう。
声を毎日、継続的に出す人は喉の病気に注意した方がよいのでしょうか?
大人になってから扁桃炎を繰り返しています。子供の病気だと思っていましたが、大人もよくなるものですか?
ポリープなどで一時的に変わってしまった声はどのくらいの期間で元通りになりますか?
はじめまして。
勤務医を続ける中で、初期治療の大切さ、疾病予防の必要性を痛感しました。
病気が悪化する前の早期発見、早期治療ができないかとの思いが強くなりました。
生まれ育った東大阪に、今まで経験させていただいた私の新しい耳鼻咽喉科知識を提供したいと思っております。
病気で苦しんでいるときは本当に不安です。そういった不安を感じておられる皆様に、 安心して帰っていただけることが私の一番の喜びです。
そして、これからも新しい医療知識を吸収し、皆様に還元させていただきたいと思っています。
来られる皆様にそれぞれの方にあった「適切」で「安心」な医療を提供できるよう、精一杯努力していきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
医学博士
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
にしかわ耳鼻咽喉科 院長 西川 匡