「高齢者に対する新型コロナワクチン接種」について

副院長の米澤です。

本日は、「高齢者に対する新型コロナワクチン接種」についてのお話です。

新型コロナウイルスの感染再拡大に伴って、4都府県を対象とした3回目の緊急事態宣言が発出されました。

変異株の占める割合が増加してきているというニュースからも不安を感じておられる方も多いと思います。

しかし、変異株が増えた状況下においても、現時点でわれわれの出来る事としては、

①3密を避ける

②手洗いうがいの励行

③マスクの着用

を継続することであり、ワクチン接種が早く日本国民全体に拡大されることを切に望みます。

不要不急の外出は控えるべきという呼びかけもよく耳にしますが、体調を崩しても病院受診を我慢される方がおられます。

多くの医療施設と同様、われわれのクリニックでも感染対策として、

院内の消毒・換気スタッフの感染防止待合スペースにおけるソーシャルディスタンス確保の工夫を徹底しており、

安心してわれわれのクリニックにお越し頂ければと思っています。

そして、大阪府内でも開始された高齢者に対する新型コロナワクチン接種ですが、

先日の東大阪市の市政だよりにも掲載されていた通り、当院でもワクチン接種の準備を進めております。

LINE公式アカウントでお伝えしている通り、75歳以上の方は、5月1日より予約開始、5月17日より接種開始となります。

それ以外の世代の方はにつきましては、情報が入り次第お伝えいたしますので、

当院の

LINE公式アカウント

Twitterアカウント

最新情報を発信していきますので、ご登録頂ければと思います。

 

また、新型コロナワクチン接種後の副反応に関する最新情報ですが、

4月23日に開催された厚生科学審議会の報告(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000772192.pdf)

を見ても、

接種後の死亡例とワクチン接種の因果関係については確認されておらず

アナフィラキシーの発現頻度についてもワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとされています。

以前のブログでも触れた、ワクチン接種後の1~2日以内に起こる、倦怠感頭痛注射部位の痛み比較的高頻度に起こるようですが、

ほとんどは軽度から中等度の症状であり、数日でそれらの症状は消失します。

国民に対するワクチン接種率が高いイギリスイスラエルにおける感染者数減少からも

新型コロナウイルスに対するワクチンの効果は明らかです。

一日でも早いコロナ禍の終息を望みたいものです。

 

以上、「高齢者に対する新型コロナワクチン接種」についてでした。

「新型コロナワクチン」に限らず、何かご不明なことなどあれば、いつでも相談して下さいね。

「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー」について

副院長の米澤です。

本日は、「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー」についてのお話です。

ようやく日本においても、医療従事者を対象とする新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されました。

来月には高齢者にその対象が拡大される予定で、東大阪でも、先日当院LINE公式アカウントでお伝えした通り、高齢者への接種は4月後半以降からになりそうです。

接種スケジュールの案内を待ちわびている方も多いのではないでしょうか。

と同時に、「アナフィラキシーが37」といった、海外よりも副反応の頻度が高いのではないかと思わせるような報道に不安を感じられている方も多いと思います。

 

このような報道に対して、厚労省の専門部会委員からは「『アナフィラキシーが37例』という書き方になっているが、間違い誤情報が出てしまう状態だ」と指摘されています。

https://www.m3.com/news/iryoishin/890372?portalId=mailmag&mmp=RA210322&mc.l=718471605&eml=0be1587492b416d439eb36d3a4ba2a38

 

また、3月12日に開催された厚生科学審議会において、2月17日から3月11日までの「副反応疑い報告」37 件のうち、アナフィラキシーの症例定義として国際的な指標になっている「ブライトン分類」で評価した結果、3月9日までに報告があった17事例中で該当するのは7例になると報告されています。

すなわち、新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして報告された件数の半分近くは真のアナフィラキシーではない可能性があるということです。

さらに、今回のアナフィラキシー報告は医療従事者を対象としたワクチン接種後のものであり、アメリカからの医療従事者を対象とした新型コロナワクチン接種後の副反応報告を見てみると、日本よりも若干多い割合でアナフィラキシーが起こっているようです。

つまり、原因はまだ不明のようですが、医療従事者はそれ以外の方と比べて新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー出現頻度が高い可能性があると言われています。

このように、衝撃的な数字にばかりとらわれるのではなく、様々な角度から物事を評価することが大切だと考えます。

また、アナフィラキシーを起こされた方々がすべて、適切な対応を受けて回復されているということが何より注目すべきことだと思います。

まもなく高齢者を対象としたワクチン接種が開始となり、その後には一般の方々への接種と続いていくことになります。

おそらくこれからもワクチン接種後の副反応報告は様々なメディアを通じて行われることでしょう。

そこでは科学的な根拠でもって、冷静な判断を行いたいものです。

引き続きわれわれは東大阪、八尾など当地域の皆様に、当ブログ当院LINE公式アカウント https://lin.ee/3KKrJ6Lなどで確かな医学情報を発信していければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

以上、「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー」についてでした。

「新型コロナワクチン」に限らず、何かご不明なことなどあれば、いつでも相談して下さいね。

「新型コロナウイルスのワクチン接種」について

副院長の米澤です。

新型コロナワクチン接種が日本でも始まりましたね。

打つべきか、打たない方がよいのか、様々にお考えの方もおられると思います。」

他の自治体では徐々に接種のスケジュールが決まってきているようですが、東大阪市はまだ今決定に向けて調整中のようです。

新型コロナワクチン接種の最新の情報が入りましたら、当院LINE公式アカウントでお知らせいたします。

https://lin.ee/3KKrJ6L

さて今回は、その「新型コロナウイルスのワクチン接種」についての現時点での情報をまとめましたので、ご覧いただければと思います。

先日、日本のニュースで次のような、新型コロナウイルスのワクチン接種に関する報道がなされました。

「アメリカ国内で、ワクチン接種後に何らかの理由で死亡した事例は全体の0.003%であった。

CDC(アメリカ疾病対策センター)は『死亡がワクチン接種に関連があるとは認められないが、引き続きくわしく調べる』としている。」というものでした。

 

この報道を受け、みなさんはどのように思われたでしょうか?

「やっぱり、ワクチン接種はやめとこうかな」「以前、アナフィラキシーの報告もあったから怖いな」などと思われた方も多いのではないでしょうか。

ところが、実際のCDCからの発表を確認してみると、日本のニュースでは報道されていない記載があることが分かります。

「臨床試験におけるファイザー社ワクチンの新型コロナ予防効果は95であり、一般的な副反応としては、悪寒倦怠感頭痛注射部位の痛み腫れ発赤であった。

副反応は通常、ワクチン接種後の1~2日以内に起こり、ほとんどは軽度から中等度の症状が数日で消失する。

米国では何百万人もの人々が新型コロナウイルスのワクチンを接種しており、ワクチン接種後のアナフィラキシーの頻度は100万人あたり約25とまれであり、ワクチンは安全効果的である。

現在まで、ワクチンの安全性の問題を示す死因は把握していない。」とCDCは発表しています。

なぜ日本のニュースではこれらの内容を報道せず、「ワクチン接種後に何らかの理由で死亡した事例は全体の0.003%」のみを取り上げたのでしょうか。

その真意は定かではありませんが、これではワクチン接種に対する否定的な印象を生じさせてしまう可能性があります。

 

実は、令和元年の交通事故件数から算出した、日本人口における交通事故の死亡確率がちょうど0.003%と言われています。

すなわち、屋外で道を歩いたり、自転車に乗ったり、車やバスに乗っている人が交通事故に遭って、死亡する確率が0.003%なのです。

交通事故による死亡確率を恐れて外出を控える人はほとんどおられないと思います。

私は新型コロナウイルスのワクチン接種については積極的に受けるべきだと考えています。

我々は、事実の一部のみを切り取ったようなニュース報道だけで物事を判断するのではなく、様々な視点から眺める事が重要であると考えます。

医学的な事実に関しては、私たちが得意とする分野であり、このブログを通じてこれからも皆様に確かな医学情報を発信していければと考えております。

 

以上、「新型コロナウイルスのワクチン接種」についてでした。

「新型コロナウイルスのワクチン接種」に限らず、何かご不明なことなどあれば、いつでも相談して下さいね。

 

 

花粉症に対する「初期療法」について

副院長の米澤です。

みなさん、今年のお正月、3連休はどのように過ごされましたでしょうか?

昨年末から感染者数が全国的に再増加傾向であった新型コロナウイルスの影響で、帰省や初詣といった、例年であれば当たり前のように行っていたイベントなどを自粛せざるを得なかった方も多かったのではないでしょうか。

しかし、いよいよ2月下旬からは新型コロナウイルスのワクチン接種が国内でも順次、行われる計画のようです。夏には1年延期されていた東京オリンピック・パラリンピックの開催も予定されています。

今年こそは、これまで苦しめられてきたコロナ禍の生活を何とか乗り越えて、今までは当たり前のように行ってきたことを、当たり前のように行える日々を1日でも早く取り戻したいものです。

 

さて、本日は、花粉症に対する「初期療法」についてのお話です。

まず、花粉症の治療には、大きく分けて薬物療法アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)手術療法の3つがあります。

さらに、薬物療法には、花粉が飛び始める以前あるいは症状が軽い時期から薬の使用をはじめる「初期療法」、症状が強くなってしまってから始める「導入療法」、初期療法や導入療法で症状が抑えられた状態を保つ「維持療法」があります。

 

比較的症状の軽い方であれば、花粉が飛び始めてから薬物療法を開始しても構いませんが、中等度以上の症状である場合、症状が出現してからでは薬物療法もなかなか効きにくいことがあります。中等度以上の症状とは、1日のくしゃみ回数または鼻かみ回数6~10回以上と定義されています(鼻アレルギー診療ガイドライン2020)。

そのような方に対しては、花粉が飛散する1,2週間前から薬物療法を開始することで、①症状の発現を遅らせる②花粉飛散ピーク時の症状を抑えることが出来ると報告されています。

 

「初期療法」で使用する薬物療法は、第2世代抗ヒスタミン薬鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)ロイコトリエン拮抗薬といった、「導入療法」「維持療法」でも使用する薬が中心となりますが、症状の種類や程度生活スタイルに合わせてアレンジする必要があり、われわれ耳鼻咽喉科医に直接相談して頂くことをお勧めします。

また、「初期療法」のタイミングについても、その地域における花粉の飛散時期に合わせて判断する必要があります。スギ花粉であれば、われわれの住んでいる関西では例年、2月上旬~中旬に飛散し始めることが多く、

1月下旬頃からスギ花粉症に対する「初期療法」は開始することをお勧めしています。

毎年、春の花粉症に悩まされている方々、今年は「初期療法」を行ってみてはいかがでしょうか?

以上、花粉症に対する「初期療法」についてでした。

 

なお、当院では、スギ花粉症およびダニ・ハウスダストが原因のアレルギー性鼻炎に対するアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)鼻づまりに対するアルゴンプラズマレーザー治療も行っておりますが、これらの治療は1月末でいったん受付を締め切らせて頂いております。

これは、2月以降のスギ・ヒノキ花粉飛散ピーク時に新たな治療を行うことによる副作用出現リスクを回避するためであり(すでにこれらの治療を開始されている方は引き続き治療を継続して問題ありません)、ヒノキ花粉飛散のピークが過ぎた6月以降には、改めてアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)アルゴンプラズマレーザー治療のいずれの治療も再開しております。

ですので、これらの治療を考えられている方は、今月、1月中のお問い合わせまたは受診をお勧めします。花粉症、新型コロナ、一緒に乗り越えていきましょう!

 

花粉症に対する「初期療法」以外でも、何かご不明なことなどあれば、いつでも相談して下さいね。

花粉症レーザー治療は1月中にどうぞ。

あけましておめでとうございます!

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年はコロナ禍で、本当に大変な一年になりました。

今年もまだ感染が拡大しており、ご心配な方も多いと思います。

しかし過剰な報道などに振り回されず、きちんとしたデータに基づいた感染対策を心がけていくべきだと考えています。

具体的には手洗い、アルコール消毒、マスク着用、大人数での会食は避ける、など。

屋外でのスポーツや、密にならない活動は、感染拡大には無関係と考えられますから、できる範囲の経済活動はむしろ積極的に進めていくことも大事だと思います。

さて、今回は、花粉症レーザー治療についてです。

当院ではレーザーの代わりに、アルゴンプラズマ凝固装置という物を用いて鼻の粘膜を焼く治療を行なっています。

こちらの方がメリットが大きいと考え導入しているのですが、今回はこの機械の説明をしたいのではありません。

(ご興味がある方は、こちらのページをご覧ください。当院アルゴンプラズマページ

 

レーザー、アルゴンプラズマの治療の時期についてです。

花粉症対策として行う場合、シーズン中は避けないといけません。

つまり2月から5月は避けるべきです。

そして、レーザー、アルゴンプラズマ治療の効果の持続期間は、個人差はありますが、1年から長くて2年程度だと思います。

ですので、対策の効果を長く保とうとすると、1月中に治療するのが望ましいです。

特に鼻づまりが強い方には有効です。

ご希望のある方は、1月中にご相談くださいね。